禺画像]
毎朝使っている本の上表紙の背がボロボロになってしまった。
和紙で裏打ちをしよう。
夫が写していた般若心経が残っていたのでその一枚を使うことにした。
遠い、50年も前の姉の話を思い出した。
私の父は饒舌な人ではなかったが頑固でもなかったと思う。
少年時代の話等をして私たち子どもを大笑いさせたりした。
貧しくはあったが大事に育ててもらったと思う。
今はカレンダーと言えば100円ショップの簡潔なものから
写真や絵画のついた高価なものまで、より取り見取りだ。
その頃 父の部屋のカレンダーは
細長い短冊形に「名言」のような言葉が31枚書いてあって
一日ごとにめくり 月が替わると又一枚目に戻るものであった。
父はそのカレンダーの言葉が好きだったのだろう。
一年が過ぎても使いづづけていた。
ある時、姉が父の部屋に行って端がめくれて汚らしい
カレンダーを見て「トウサン、これ捨てようよ」と言った。
父は何も言わずにカレンダーを見ていた。
数日後、姉が父の部屋に行ったらめくれた部分が裏打ちされていて
きちんと綺麗になっていたそうだ。
姉は話した後、「いかにも トウサンらしいよね」と言った 。
父は子供を怒ったりすることはほとんどなかったが
父に似ず無駄口の多い中学生の私に言ったこと。
「言った言葉は消しゴムでは消せないからね。よく考えてから」
この言葉をいまでも覚えているが私の失言癖は続いている^^;;;;
セコメントをする